クラインの壺

 
書下ろし作品
 
発行:新潮社 1989年10月25日
装画:M.C.エッシャー
装幀:平野甲賀
定価:1,529円
ISBN-10: 4106027151
 
発行:新潮文庫 1993年1月25日
解説:新井素子
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カバー装画:藤田新策
装幀:木本百子/荒川じんぺい/大路浩実
定価:620円
ISBN-10: 4101080127
 
発行:講談社文庫 2005年3月15日
解説:菅浩江
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カバー装画:長尾みのる
定価:800円
ISBN-10: 4062750171

著者のつぶやき

 この『クラインの壺』は1988年から始まった《新潮ミステリー倶楽部》のために書いたものです。1989年10月に上梓したこの本の帯には《岡嶋二人最後の作品》と記されていました。
 当時、僕は〈バーチャル・リアリティ〉という言葉を知りませんでした。NASA(米航空宇宙局)が1987年に使い始めた言葉だということを後になって知りましたが、日本に入ってくるのはまだまだ先の話だったのです。作品中に〈バーチャル・リアリティ〉という言葉がまるで現われてこないのは、そのせいです。
 もちろん、最後の作品を書き上げた直後は、ひどい鬱状態に襲われました。
 岡嶋作品の最初の読者は常に徳山諄一でした。ダメだと言われたことは一度もありませんでしたが、とにかく原稿を書き上げるとまず徳山に読んでもらって「いいね」という言葉をもらうのが決まりのようになっていました。
 でも、この『クラインの壺』だけは、彼が最初の読者にはなりませんでした。作品を評する言葉を、相棒からひと言ももらわぬまま、本は書店に並びました。

 

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