99%の誘拐

 
書下ろし作品
発行:徳間書店 1988年10月31日
装画:生賴範義
装幀:池田雄一
定価:1,264円
ISBN-10: 4191237780

 

 
発行:徳間文庫 1990年8月15日
カバー装画:長尾みのる
定価:600円
ISBN-10: 4195691362
 
発行:講談社文庫 2004年6月15日
解説:西澤保彦
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カバー装画:長尾みのる
定価:730円
ISBN-10: 4062747871

著者のつぶやき

 徳間書店から出版された四六版オリジナルの『99%の誘拐』には初版が2種類存在します。後に出た初刷にはカバーの背の『99%の誘拐』の下に茶色い星が一つ入っているので見分けることができます。なぜ2種類なのか──すでに時効でしょうから明かしますと、これは最終校了の際になんらかの事情でミスが発生してしまったからでした。
 ほとんどあり得ないようなミスでした。著者校閲で僕がゲラに入れた大量の赤(修正)が、まったく反映されていなかったのです。発売直後、僕はそのミスに気がつき、慌てて編集部に電話をかけました。直ちに刷り直してもらうことはもちろん、できることなら書店に配本したものを回収してほしい。さらにたくさんの方たちにお送りした献本には、修正されたものをもう一冊送ってほしい。送られた方々は疑問に思うだろうから、僕が事情説明の断り書きを書きます。──そう伝えました。編集部は「こちらの責任ですので、事情説明はこちらでいたします」と答えてきました。後になって知ったのですが、編集部の添付した事情説明には「作者のたっての希望により修正版をお送りします」とだけ書かれていたそうです。まるで、僕たちがわがままを言ったような書かれ方でした。
 何人かの評論家の方たちは、修正版が出されたのは作者の仕事に対する姿勢の表れだ、と好意的な取り上げ方をされていました。しかし、実際はそうではなかったのです。
 その『99%の誘拐』が、20年も経って突然リバイバルヒットしたときには、本当に魂消ました。この驚きは吉川英治文学新人賞の受賞が決まったと知らされたとき以上のものでした。

 

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