ツァラトゥストラの翼

 
書下ろしゲームブック作品
 
発行:講談社/スーパーシミュレーションノベルス 1986年2月5日
装幀:藤原勝
定価:1,029円
ISBN-10: 4061924516
 
発行:講談社文庫 1990年5月15日
あとがき:岡嶋二人
あとがきを読む
カバーデザイン:秋山法子
定価:660円
ISBN-10: 406184671X

著者のつぶやき

 岡嶋二人の作品中、この『ツァラトゥストラの翼』は最も異色なものだったと思います。なにせ、普通の小説ではなく、ゲームブックだったのですから。
 当時は「スペースインベーダー」を皮切りに、アーケードゲーム全盛の時代でした。各メーカーがゲーム機の開発と普及にしのぎを削っていましたが、ゲームの大半はシューティングやカーレースを中心としたアクションものでした。パソコンの普及はまだまだで、特に「ロールプレイング系」「アドベンチャー系」のゲームは脇に追いやられていたのです。そこに登場したのが〈ゲームブック〉でした。
 ポータブルなゲーム機が登場するのはまだまだ先のことで、ポケットに突っ込んで、どこでも楽しむことができるゲームブックは、あっという間に日本を席巻しました。ほとんどの書店にゲームブックのコーナーが設けられていたのです。そのブームの始まりは1985年。〈スーパーシミュレーションノベルス〉と銘打たれたシリーズに、岡嶋二人も参加することになったのです。
 この『ツァラトゥストラの翼』の執筆に、僕は初めてパソコンを使いました。それまではワープロ専用機だけで小説を書いていたので、パソコンは趣味で遊んでいただけのものだったのです。複雑な構造のゲームブックを書くために、僕は4~5本のアプリケーションを自作しました。ゲームブック特有のパラグラフ単位で物語を記述し、そのパラグラフをランダムにシャッフルし、そしてテキストRPGをパソコン上で体感できるようなゲームアプリは、自分で作るしかなかったからです。
 実際、原稿の校閲はままならず、担当編集者は僕の仕事場に泊まり込んでパソコンでのチェックをやったのでした。
 ああ、懐かしい。

 

デジタルブック版『ツァラトゥストラの翼』

発行:講談社 1995年5月
本文イラスト:武富哲樹
カバーデザイン:秋山法子
定価:2,800円
ISBN4-06-207388-9 C0893 P2800E
 
メディアは懐かしのフロッピーディスク。デジタルブックプレイヤーというのが、いくらしたんだっけ。安くはなかったと思います。