ちょっと探偵してみませんか

 
収録作品:初出誌

ラスコーリニコフの供述 ショートショートランド 1983年5月号
誰が風を見たでしょう ショートショートランド 1983年9月号
三年目の幽霊 ショートショートランド 1984年7+8月号
曇りのち雨 パズラー 1984年7月19日号
Behind the Closed Door ショートショートランド 1985年3+4月号
ご注文は、おきまりですか ショートショートランド 1983年7月号
ボトル・キープ ショートショートランド 1983年3月号
マリーへの届け物 パズラー 1984年11月15日号
水の上のロト パズラー 1984年9月20日号
死後、必着のこと パズラー 1983年12月25日号
煙の出てきた日 ショートショートランド 1984年11+12月号
高窓の雪 パズラー 1984年4月19日号
断崖の松 ショートショートランド 1985年1+2月号
組長たちの休日 パズラー 1984年6月7日号
最後の講演 パズラー 1985年6月20日号
愛をもってなせ ショートショートランド 1984年1+2月号
明かりをつけて ショートショートランド 1983年1月号
ルームランプは消さないで ショートショートランド 1983年11月号
机の中には何がある? ショートショートランド 1984年9+10月号
穏やかな一族 パズラー 1985年4月18日号
酔って候 パズラー 1984年1月25日号
シェラザードのひとりごと パズラー 1985年2月7日号
聖バレンタインデーの殺人 ショートショートランド 1984年3+4月号
奇なる故にこれをのこす ショートショートランド 1984年5+6月号
たった一発の弾丸 ショートショートランド 1985年5+6月号

 
発行:講談社 1985年11月22日
装幀:南伸坊
定価:1,020円
ISBN-10: 4062022893
 
発行:講談社文庫 1989年3月15日
解説:新保博久
解説を読む
カバー装画:南伸坊
定価:470円
ISBN-10: 4061843982

著者のつぶやき

 原稿用紙にして10枚のショートショートを25篇あつめた遊び感覚満載の本です。
 伝説の名編集者、故宇山秀雄氏のプロデュースでこの本は生まれました。岡嶋二人がデビューして間もなかったころ、僕たちは別冊小説現代に載せるための「サイドシートに赤いリボン」という短篇を書いていました。原稿が締切までに間に合いそうもなかったので、担当編集者の岡圭介君に電話をしました。電話の取り次ぎを頼むと、受話器に聞こえてきたのは岡君とは違う声でした。
「岡は今席を外していますが、ちょうど良かった。僕は文芸第三の宇山といいます。岡嶋さんに電話しようと思っていたところだったんです」「はあ……」「お願いしたいことがありまして」
〈ショートショートランド〉という掌篇ばかりを集めた雑誌があったのですが、宇山さんはそこに10枚のショートショートを書いてくれと言うのです。ショートショートなんて書いたことがありません、と言うと「いえ、書けますよ」と気楽な返し。
 原稿依頼の断り方をよく知らなかった僕たちは、宇山さんの頼みに困り果て、考えあぐねて「読者への挑戦」を書くことにしたのです。問題篇を読んだところで「真相はもうおわかりですか? ちょっとだけ考えてみて下さい」と作者に推理力を挑まれるという趣向の作品です。
 驚いたのは出来上がった〈ショートショートランド 1983年1月号〉を開いたときでした。そこにはタイトルの上に〈新企画あなたに挑戦〉と書かれていたからです。「あの……この新企画って」「こういうのをやりたかったんですよ。連載にしましょう!」「え、一回だけのつもりで書いたので、連載なんて……」「いや、〈ショートショートランド〉は季刊誌ですからね。3ヵ月に一回書けばいいだけです。大丈夫大丈夫」
 ところが、その無理矢理の連載を1年続けたところで、宇山さんは誇らしげに電話をかけてきました。「喜んで下さい。〈ショートショートランド〉が隔月刊になりました!」「喜べって……」3ヵ月に1度書けば良かったはずが、このときから2ヵ月に1度になったのです。
 そして、さらに「快挙です! 月刊誌になりました!」と告げられたあたりで、僕らは極限に達してしまったのです。ほとんど詐欺でした。