とってもカルディア

 
書下ろし作品
 
発行:講談社ノベルス 1985年7月5日
カバーイラスト:峰岸達
定価:672円
ISBN-10: 4061811991
 
発行:講談社文庫 1988年6月15日
解説:結城信孝
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カバー装画:峰岸達
定価:540円
ISBN-10: 4061842269

著者のつぶやき

 1984年。富士フイルムは〈カルディア〉という名前のカメラを発売しました。小泉今日子さんが〈なんてったってアイドル〉をCMソングとして歌い、それが大ヒットしました。そのときのCMのコピーが〈とってもカルディア〉というものだったのです。
 話題作りのために富士フイルムは若手のミステリー作家に「カルディア殺人事件」という小説を書かせたらどうだと考え、それを講談社に持ちかけたようなのです。そういうヘンテコな企画を面白がるのは岡嶋二人ぐらいだろうと思った講談社文芸第二編集部は「カメラがもらえるし、初版を富士フイルムが買ってくれるよ」と僕たちを誘惑しました。誘惑に負けて書いたのが『とってもカルディア』でした。
 なんの方策も立たず、もらったカメラをひねくり回していた徳山は〈プレワインディング〉というカルディア最大の新機構に着目し、これを活かす事件をでっち上げることにしたのです。話の核は決まったもののそれをどんな小説にしたらいいかがわからない。「軽くて楽しいミステリーがいいよね」ということで、急遽〈山本山コンビ〉がキャスティングされることになりました。短篇シリーズだけの彼らが長篇に登場するのは、僕としては計算外でした。