七年目の脅迫状

 
書下ろし作品
 
発行:講談社ノベルス 1983年5月10日
カバーイラスト:藤居正彦
定価:652円
ISBN-10: 406181057X
 
発行:講談社文庫 1986年6月15日
解説:武市好古
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カバー装画:北村治
定価:550円
ISBN-10: 4061837559

著者のつぶやき

 江戸川乱歩賞の受賞後第一作として書いたものです。
 この作品を書いたとき、出版界には空前の新書ブームが起こっていました。講談社も〈講談社ノベルス〉を発足させたばかりだったのです。ですから、僕たちの受賞第一作は新書版で出版されることになりました。
「伝貧(でんぴん:馬伝染性貧血 equine infectious anemia)」という馬の伝染病を扱った作品だったので、タイトルは『E.I.A.』に決めていました。「表紙には、バンバンバンと暗闇に光るような文字を横書きで入れてください」と言うと、編集者が怪訝な顔で僕を見返しました。「何を言ってるんですか。ノベルスというのは装幀デザインがはじめから決まってるから安くできるんです。ここに題字が入ってここに著者名がってね。タイトルは縦書きです。だいたい、作家は表紙のことなんて考える必要はありません。作品のことだけ考えて下さい」作家になったばかりの僕たちは、言い返すこともできませんでした。
 この編集者の「作家は表紙のことなんて考える必要はありません」という言葉は、このあと僕に〈本〉と〈小説〉の関係を考えさせるきっかけになりました。