パワー・オフ

 
収録作品:初出誌・小説すばる

1994年8月号~1995年10月号

 
発行:集英社 1996年7月30日
CG:原田大三郎
装幀:松田行正
定価:1,835円
ISBN-10: 4087741990
 
発行:集英社文庫 1999年7月25日
解説:遠藤諭
解説を読む
カバーデザイン:河田純/NEOPLAN
画像処理:高木和明/Electric EYE Studio
定価:840円
ISBN-10: 4087470784

著者のつぶやき

 以前から、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン:あるいは現代のプロメテウス』のような小説を書いてみたいと思っていました。それができるかもしれないと思い始めたのは、工学博士北野宏明氏が書かれた『遺伝的アルゴリズム』という本に出会ってからです。さらにそこから〈人工生命〉というものの存在に行き着いたとき、これが自分なりの〈フランケンシュタイン〉なのではないかと、大いにかき立てられることになりました。
 さらに僕は密かに、これは岡嶋二人との完全な訣別になるかもしれない、とも思っていました。ミステリー要素はあっても、それは岡嶋的なサスペンスや推理展開とはまったく違うものとして捉えてもらえるだろう──そう思って、小説すばるでの連載に踏み出しました。ずっとつきまとって離れない「元岡嶋二人」という呼称が、当時の僕には苦痛だったのです。
 だから出版後、大森望氏がこの『パワー・オフ』には「SFのスピリットがある」と評してくれたときは、ついついニタニタしてしまいました。