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2017/03/17
井上夢人 小説

『99人の最終電車』──湯浅賢

さて、2人目の2分間刑事です。
《湯浅賢》は、おそらく福屋浩治と同期か1、2年だけ先輩の新米刑事です。

 
 
小説の登場人物を、僕は大きく〈球形〉〈円形〉〈点形〉の3種類に分けて考えます。

〈球形〉の登場人物は、作者が(つまり僕が)すべてを把握しておかなければならない主要なキャラクターたちです。彼らについては、風貌や性格はもちろん、たとえそれが描かれなくても生きてきた人物史もすべて──つまり、どの方向からも把握できていなければなりません。

〈円形〉は、ある一方向から見れば、完璧に把握できている人物です。ある方向とはもちろん小説が彼あるいは彼女に求めている造型のこと。その他については薄っぺらなキャラクターですね。

〈点形〉は、言わばワンポイントリリーフのその場限りの属性だけが与えられる人物です。

 ところが、このハイパーテキスト小説では、たった2分間しか登場しない人物であっても、主役の座が与えられるのですから、彼には〈球形〉であることが要求されるのですね。

 そんな《湯浅賢》の最初のページはこちらです。