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2017/02/28
井上夢人 小説

『99人の最終電車』──八重樫巧

どうせですから……という言い方もナンですが、『99人の最終電車』の夢人.com版掲載を続行しようかと思います。

 日下部敏郎、榎本ひとみ、落合綾佳と3人を1分刻みで載せてきましたが、ここからはその登場人物一人一人のパートの登場から退場までをまとめて載せていこうかと思います。
(99人全員を掲載するつもりがあるわけでもないですが、1分ずつの刻みでは数人が何年にもなってしまいますからね(*^_^*))

 で、まず《八重樫巧》という人物を取り上げます。

 
 
彼は、落合綾佳のパートで登場しています。自己紹介をしていませんからお互いに名前は知りません。
 なのに、初対面であるにも拘わらず、けっこう密に関わっています。

 そう、彼がPDAの男です。
 あの時代(1996年ごろ)の最先端をいく携帯端末です。今のスマホに似た形状のものもありました。先をいくビジネスマンが、いわゆるアーリー・アダプターとなってバブル崩壊後の社会に切り込むアイテムとして装備したものですが、群雄割拠する電子機器の中に呑み込まれるようにして姿を消しました。

 そんなエリート・ビジネスマンが、残業を終えてようやく終電に乗り込む。彼の頭の中は、仕事から解放された途端に別のほうへ飛んでいってしまったようです。

《八重樫巧》の最初のページはこちらです。