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2017/02/22
井上夢人 小説

『99人の最終電車』──落合綾佳の24時08分

24時08分。
 男はブリーフケースの上にPDAらしきものを載せ、その液晶画面に視線を落としていた。普通のサラリーマンのようだった。お酒を飲んでいるふうではない。

 
 
いや……と、綾佳は自分自身に首を振った。
 いくらなんでも、それはないでしょ。もちろん、PDAなら計算機能もついている筈はずで、よく知らないがひょっとすると2進数の変換ボタンなんかもあるかもしれない。でも、見ず知らずの男に、ちょっとそのPDA貸して下さい、なんて言うのは、どうかと思う。

《24時08分の落合綾佳》はこちら。